ブランディングといったときに「うちはメーカーの商品を扱っている販売店だから自社ではブランドが作れない」と言われることがあります。
実際はどの会社にも社風や企業風土といったものがあるのでブランディングは可能なのですが、ブランディングは商品を作っているメーカーがするもの、という認識が強いようです。
そこで今回は販売店の方ができるブランディングについてお話していきます。

販売店ができる3つのブランディング

どこかのメーカーが作ったものを仕入れ販売している場合、確かに扱っているモノのブランディングはできません。それはメーカーが行うものだからです。
しかし、仕入れ販売業であったとしても3項目は行うことができます。
1つは企業としてのブランディング、2つ目は売り場のブランディング、そして3つ目が人のブランディングです。1つずつ見ていきましょう。

企業のブランディング

先ほど、社風や企業風土と言いましたが、企業のイメージは扱っている商品とは別ですよね。例えば、コカコーラというブランドは強いですが、コカコーラを売っているお店には駄菓子屋さんもあれば、高級スーパーもあります。駄菓子屋さんと高級スーパーでは、お客さまが受け取るイメージは異なります。つまり企業としてのブランディングが異なるわけですね。これを可能にしているのが2つ目の売り場や3つ目の人のブランディングです。

売り場のブランディング

これは前述の通り、どんな売り場でどのように見せるか、です。同じものでも置く場所、置き方によって見え方って変わりますよね。余談ですが、輸入車ディーラーのショールームはスポット照明の電球の色や車への照明の当て方まで決まっています。もちろん家具や調度品は全て指定されたもの。全国のディーラーでそれらの統一感を出すから、一つのブランドイメージを与えることができるんですよね。

人のブランディング

人といっても容姿や学歴という話ではなく「ふるまい」です。どんなものを扱うにせよ、人が介在する売り場では、その人のふるまいがお客様に大きな印象を与えます。高級品であっても雑なふるまいであれば安く見えますし、普通のものでも大切に扱うふるまいであれば高級に見えます。

さて、この3つを振り返るとあなたの会社はお客様にどんなイメージを与えているでしょうか?同じモノでも売り場や売る人によって印象が変わるのはお分かりいただけたと思います。

もう少し事例を申し上げると、例えば、高級ブランドのバッグや時計。私の友人でこんなことを言った人がいました。
「彼女へのプレゼントにグッチのバッグをあげたいんだけど、物自体はディスカウントショップでも売っているんだよね。でもやっぱりプレゼントって思うとブティックで買ってあげたいんだ」

先ほどからお話ししている通り、モノとしての価値はどちらで同じです。しかし、ここまで与える印象が異なるのは前述の3つの項目が異なるから。付加価値をどのように付けるか、どのようにブランディングするかはモノではなくあなた次第です。

販売店だからブランディングができない、と思うのではなく、まずは3つの項目からチェックしてみてくださいね。