創業100年以上の会社はどれくらいあるかご存知ですか?

世界で最も100年企業が多いのは日本で3万社を超え、世界の創業100年以上の企業の総数の40%以上を占めていると言われています。200年以上の企業になるとその比率は65%程度。日本企業はとても長寿なのです。そんな背景ですから、老舗と言われる企業のブランディングのニーズもとても多いです。でも老舗は昔から守ってきた看板やイメージがあり、創業者から続く先祖代々の思いがあったり、古参の社員がいたりと、ブランディングとは遠いイメージがあります。そんな老舗がリブランディングをしたい!という時は何から手をつければ良いのでしょうか。

それは、今まで培ってきた本質的な価値を見つけることです。

具体的なステップ

1.100年後も続く根幹は何かを言葉にする。

創業100年を超える企業の場合、当然今までの歴史があります。創業者の思いや大切にしてきたことなど、全て調査し、書き出してみることから始まります。木の根っこにあたる部分ですね。すでに企業理念がありそのまま使う場合ももちろんあります。ただ、何のために企業が存在していて、何をなすべきなのかを、これから先の人にも伝わるように言語化していくのがこのステップです。

2.社員のふるまいがどうあるべきかを考える

前回の記事「2.販売店のブランディング」でもお話ししましたが、ブランドを作る要素として最も大きなものは人材です。社員の発する言葉や立ち居振る舞い全てが日々、お客様の目に映り、企業のイメージを作っていくからです。
1のステップで定めた言葉に合わせて、社員のふるまいがどうあるべきかを考え、行動指針やクレドにまとめていくのがこのステップです。

3.ビジュアルを統一する

みなさんが一番イメージしやすいブランディングがこのビジュアルの統一です。ロゴやフォント、コーポレートカラーを決めてコミュニケーションツールを作成していきます。企業のシンボル的な存在になり、様々な場面で対外的に活用されるのがロゴ。だからこそ、根幹ができてからでないと作ることができません。

4.インナーブランディング

ロゴを作ったら終わりではなく、実はここからが社内教育の本番です。言葉やビジュアルがかっこよくなっても、それが日々遂行されなければ意味がありません。特に、対外的に統一感が出てきた時に、中身が伴っていないと、かえって評判が悪くなってしまうからです。
老舗の場合、古参の社員の中には新しいことに反対の人も多くいます。それは今まで守ってきたものが壊されてしまうのでは、という怖さがあるからだと思います。だからこそ、リブランディングを行った際に、なぜ今リブランディングする必要があるのか、何を守り、変えていくのかを一人一人に理解してもらう必要があります。ビジュアルが変わったら終わりではなく、ここから次の100年が始まるのだということを全員が理解し、あるべき姿を共有し、一緒に作り上げることができてこそ、リブランディングが成功するのです。

さて、ここまで老舗のリブランディングについて4つのステップをお話ししてきました。
よく、「ブランディングはカタカナが多く分かりづらい」「具体的に何がどう進むのか見えない」と言われますが、あくまでもベースになるのは今までの事業。外部の人が勝手に何かをするものではありませんので安心してご相談いただきたいと思います。