富裕層ってどんな人!?

「うちもそろそろ富裕層マーケットにいきたい」「富裕層向けのハイエンド商品を出したい」といったご相談を受けることがあります。
その際に「想像している富裕層はどういう方ですか?」とお聞きすると、ほとんどの場合曖昧です。なんとなく「普通の会社員ではない人」「多分経営者が多いだろう」というイメージを持ってはいるものの、漠然としていることが多いのが事実。
そこで今回は「富裕層はどういう人たちなのか」という客観的な指標をお伝えしたいと思います。
まず考えてみていただきたいのは、「富裕層に売りたい」と思った場合、その「富裕層」とはどの程度の年収や金融資産の人なのか、という点です。具体的に頭の中にターゲット層をイメージしてみてください。

いかがですか?どんな人が思い浮かんだでしょうか?

同じ質問をすると、一般的に返ってくるのが「年収3000万〜5000万以上の人」という答えです。しかし、富裕層の中でももちろん特徴はそれぞれ。一代で事業を興し成功した方、先祖代々その土地で名士と言われる方、企業の役員、会社員だけれど投資で資産を増やした方などなど・・・それぞれ趣味嗜好もライフスタイルも違うのはお分かりいただけるでしょうか。

この、富裕層の定義については、野村総研『NRI富裕層アンケート調査」(2020.12)が分かりやすく図解していますので、こちらを見てみましょう。

この図は預貯金、株式など「純金融資産保有額」で分けられた図です。これによると、日本の富裕層は133万世帯あり、預貯金、純金融資産総額は333兆円とされています。この層は年々増えているとされており、近年は日本の金融機関も超富裕層をターゲットとしたウェルスマネジメントビジネスを強化しています。

富裕層ってどのくらいいるの!?

ここでもう1つの質問です。 あなたの周りに富裕層はどれくらいいると思いますか?

「いやいや、そんな人なかなかいないよ」「うちは田舎だから東京みたいに富裕層なんていない」そんな風に思われた方もいらっしゃるかもしれません。
でも、上の図を見れば明らかなように、「準富裕層」とされる5000万以上の金融資産を持っている世帯は日本全体の9%程度。3000万以上のアッパーマス層から見ると22.2%を超えており、4〜5世帯に1世帯はアッパーマス層がいるということです。

ここで考えておきたいことは2つ。
・どんな層の人がどれくらいあなたの商圏にいるか
・売る人(営業マンなど)に売る意識があるか

を把握し、事前に情報収集や対策をしておくことです。

2つとも大切なのですが、より重要なのは2つ目です。これは実際にある企業で富裕層向けの商材を作ったときの話です。トップの方針としてはこれから富裕層向けの商材に力を入れていきたいと思い、投資をしてこだわりの商品を作りました。いよいよ発売に向けて営業マンのトレーニングをする段階になり、私は人材育成で関わることになりました。そこでわかったのは、誰もが「うちにそんな商品売れるわけない」と思っていたことです。
「富裕層なんて見たことがないし、会ったこともない」「うちの周りにいるはずがない」誰もが口々にそう言いました。また、「そんなの、うちの会社で扱っているものとはランクが違う。うちが売れるわけがない」と言った人もいました。

これで売れると思いますか?
売れないですよね。

ここまで読んでお分かりの通り、商品を富裕層向けにしただけでは売れないのです。たとえ経営者が富裕層ビジネスにシフトしたくても、社員のマインドがついてこなければ売ることはできません。そもそも社員は富裕層に囲まれて育ったわけではないのですから。私が「売るモノ、売り方、売る人の3つの改革」とお伝えするのは、こういう背景があるからなのですね。

先ほどの企業はその後どうなったか。もちろん教育プログラムを実践し、最終的に「目から鱗が落ちました」と、最も反抗的だった方が最も協力的になってくれました。その方も、今まで情報がなく、富裕層マーケットを知らなかっただけなんですよね。

高く売るためには準備が9割。

売るモノ、売り方、売る人の準備をしっかり行えば高く売ることは可能です。
気になった方はぜひ一度ご相談くださいね。